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スマブラ小説 【PEACE/PIECE END】




■あらすじ■ ゼルダに加え、リンクが行方不明となった5日後 再び一同に会したスマッシュブラザーズ 彼らに突如襲い掛かるは、クレムリン軍団 彼らにさらわれたドンキーをプレートと引き換えに取り返し、 クレムリン軍団アジトへ踏み込むや、キャプテンクルールに挑む 勝利した・・・かに思えた 行方不明となるアイスクライマー、 メンバーになりすました、別のヨッシー・・・エメル そして、何の前触れも無く宇宙空間に姿を現した、惑星『X』 スマッシュブラザーズを中心とし、 あらゆる小さき欠片が一箇所に集まろうとする それが一つになるとき、何が起こるのか・・・

       第8話

                                            罅[ヒビ]
〜クレムリン軍団・アジト・2階・倉庫-B〜 キャプテンクルールにやられたと見られるフォックスを発見 まだアジト内にキャプテンクルールが潜伏してる可能性を考え、 現在メンバー達は彼、そしてアイスクライマーを捜索中だ アジト1階は既に浸水による沈没ゆえ捜索不可能 2階通路も現時点で浸水してきた水に覆われている マリオ、ピカチュウ、ネス、ウォッチ、 ファルコン、コリン、プリン 行動を共にしているメンバーの顔ぶれは上の通り ロイはというと、戦闘不能となっているフォックスを ホワイトピースへ連れて帰ったようだが・・・ 通路を進んだ先、ひとつの扉を抜けると倉庫のような部屋にたどりついた 天井まで届きそうなやたら背の高い棚が何列も配置されているせいか、 まるで部屋そのものが巨大な迷路に感じられる マリオ「進んでみよう」 マリオがそう言って水を掻き分けて前進 黙ってその後をメンバーがつける 水位は徐々にだが増している 早くこのアジトから脱出しなければならない その思いが無意識にメンバー達を焦らせる その時であった ビョオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!! マリオ「!」 ピカチュウ「!」 ネス「!」 皆が驚きながら後ろを振り返える その視線の先に、皆は目を疑う 通ってきた扉が氷付けとなっている・・・!! ウォッチ「・・・・・・・・」 ファルコン「・・・・・・・・」 何が起こっているのか理解ができなかった 扉をくぐり、進んで振り返れば扉が氷付け ただ、それだけしかわからなかった 「みんなっ!」 メンバー達が顔を上げる 棚の上から聞きなれた、かわいい声が耳に入った マリオ「ポポ・・・それにナナ・・・!」 前に向き直り、見上げるとそこにはアイスクライマーの姿があった この薄暗い中、彼らの表情は陰に隠れているが、確かにアイスクライマーである コリン「無事だったんだ、二人とも!」 ファルコン「探していたぞ、良かった見つかって・・・」 ネス「・・・?」 ウォッチ「キャプテンクルールノ居場所ヲ知リマセンカ?」 ウォッチが尋ねて少しの間を置いた後、 彼らの口から答えが返ってきた ポポ「うん、知ってるよ」 ナナ「この通路の先に部屋があってね、    そこにおられるのよ、キャプテンクルール様が」 ファルコン「!・・・・」 マリオ「・・・・今・・・何て・・・・・?」 その返答にメンバー達の表情は険しくなる ポポ「キャプテンクルール様にお会いしたいのかな?」 何もおかしなことは無いといわんばかりの、 いつもどおりの口調でポポが続けた ピカチュウ「・・・様子が、変だよ・・・」 小声でピカチュウがそうもらした 周りのメンバーもそれにうなずく 既にその場は、氷の様に冷えた雰囲気が漂っていた 入り口の扉を氷付けにしたのも、間違いなく彼らがやったこと まるで、スマッシュブラザーズを逃がすまいとして・・・ この時点で皆は9割ほど、状況を察していた そして、残り1割を埋める決定的な瞬間はすぐに訪れた ポポ&ナナ「とおっ!!」 ッガ!! 直径1mほどの氷のかたまりを2つを、 アイスクライマーはメンバー向け、容赦なく叩き落してくる! 唐突すぎる攻撃に、コリンは対応できずに直撃を受けてしまった よろめく彼にファルコンがあわてて駆け寄る ウォッチ「危ナイデスヨッ!!      何スルンデスカ!!」 ナナ「はああああっ!!」 休む間も無く、棚から棚へ飛び移り、 ナナが氷の岩をメンバー向けて放つ・・・! マリオ「っや!!」 落下してくる氷めがけ、燃え盛るファイアボールをマリオが投げつけた! 見事に氷を打ち消すことに成功 ・・・だが、マリオの表情は堅いまま ピカチュウ「ネス・・・!」 ネス「・・・うん、その通り」 ポポ「とおおおおおおおおおッ!!!」 アイスクライマーは天井付近を棚から棚へと 次々飛び移り、その間際に氷を打ち落としてきた それを避けるように倉庫内を走るメンバー達 あいまにネスが口を開く ネス「ポポたちは操られてるかもしれない」 ピカチュウ「! やっぱり・・・!?」 ファルコン「っくそ、キャプテンクルールの野郎・・・」 マリオ「ネス、ポポ達からどんな思考を読めたんだ?」 ザボーンッ!!! すぐ後ろ、水面を氷が叩きつける音がなり、 波が揺れ動く ネス「見えなかった 心が見えなかったんだ    ポポたちの意識は眠っているのさ」 ファルコン「何か解く方法は無いのかよ!」 ネス「・・・どういう方法で操っているかがわからないと何とも    ただ、確実な方法はキャプテンクルールを倒すことかな」 マリオ「それしかないな・・・」 ザバーンッ!!! ザバーンッ!!!! 氷が落下した水面は急激に冷やされ、 瞬時に凍りついていく ナナ「えいっ!!」 また一つ、氷が天井から降ってくる その真下には、コリンの姿 ファルコン「!・・・危ないぞッ!!」 マリオ「!」 マリオやファルコンが後ろを振り返る メンバー達より少し離れた位置にコリンの姿はあった 彼は子供のせいか、水の中を進むには遅れをとってしまったようだ 水位は腰にまで迫っている・・・! マリオは右手を伸ばそうとしたが、それを止めた ファイアボールを撃とうとも、距離が足りずに水面に落ちてしまう ピカチュウ「コリン!!」 今に氷が直撃しようとした時であった コリン「はぁッ!!」 コリンの身体が天井へ向けて引っ張られ、 寸前のタイミングで氷の直撃を避けた! ファルコン「コリン・・・!」 彼は手にフックショットを握っている これを棚の荷台にひっかけ、棚の上に昇ったのだろう コリンが棚の上、・・・ほぼ天井の高さから周りに視線を送る この位置から100mほど先に倉庫の出口・・・ つまり、キャプテンクルールの居る通路の先とやらを発見できた 棚の配列はやはりその出口まで1本道には出来ていなかった 何回か分かれ道があり、その先は行き止まりか、出口への通路かのどちらかだ 出口への通路を見極め、意識の中でコリンはネスに訴えた・・・!                 左だ              左、右、 よ      右、     左、     ッ       右、左、右、        !              ネス「!・・・コリン・・・」 ネスが見上げた先、コリンはこぶしをつくって見せていた わざわざ思考を読み取らなくとも、ネスには意図が解った ネス「みんなっ!行くよ」 ネスが急ぐように、水面を掻き分けて進んでいく ファルコン「おいッ!コリンが・・・!」 ネス「いいから早くッ・・・!」 ピカチュウ「・・・?」 慌てふためくも、ネスの後を追うメンバー もはや、半分泳ぎに近い ポポ「逃がさないよ〜っ!」 それを見たアイスクライマーは、 再び氷を投下しようとメンバー達に狙いを定めるが・・・ シュトンッ! ナナ「うわぁっ!!」 彼らの足元から突如、火が燃え出したではないか・・・! 明らかに驚きを見せるアイスクライマー だが、よく見ると、一本の矢が燃えているのが確認できる コリン「火は苦手かい・・・ポポ、ナナ・・・!」 その声に彼らは同時に振り返った 炎の弓矢を、コリンが彼らの足元に放ったのだ 自分に気を引かせるために コリン「僕とバトルをしよう     その後でもいいよな、他の皆を相手にするのは」 ポポ「・・・コリン・・・君が・・・?」 薄暗い中、互いに相手の表情は見えないものの、 それでもコリンは強い視線をアイスクライマーに突きつけた ナナ「ねぇ、これ罠だよポポ    マリオ達を逃がすためのコリンの罠だよ!」 ポポの裾をひっぱるナナ しかし、ポポはそれを無視するかのように言った ポポ「いいよ、どうせマリオ達はここから出られないんだし・・・    それに、ボクらがコリンに負けるはずがない・・・    だって・・・    アイスクライマーのレベルは7    対するコリンはたったの4    一対一なら負けるはずがない        戦え、コリンを倒せ    そしてもう一点、オレの得点にしてくれる」 モニターに映った倉庫内の映像を見ながら、 キャプテンクルールはそう口にした そして小さな端末のボタンを素早く押した     ポポ&ナナ「戦え、コリンを倒せ       そしてもう一点、オレの得点にしてくれる       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 コリン「・・・?」 意味不明なことを喋りだしたアイスクライマーに、 コリンの鋭い視線は、何を言ってるのか理解できず、細いものとなった アイスクライマーのレベルは7 そしてコリンのレベルは4 確か、それはホワイトピースでのデータ・・・ 今の口調だけは、ポポ、ナナの口調とは異なっていた やはりアイスクライマーは操られている 更なる確信を得て、コリンは操り主への怒りを抱いた ポポ「良かったね、コリン    キャプテンクルール様から君を倒していいと、    ご命令を頂いたよ・・・覚悟してね!」 コリン「・・・・・・・・・・」 剣を抜き、柄を強く握り締めた 一方、ネス達は出口へ向けて順調に迷路の中をを進んでいるようだ ネス「右、右、左、と来たから・・・次は右だ」 棚と棚の間を泳ぐようにして進むにはやはり時間が掛かってしまう そんな中、ファルコンがネスに問いかけた ファルコン「どうしてコリンを置いていくんだ・・・?」 ウォッチ「ソウデスヨ、チョット可愛ソウデスヨ      コレデハ彼ガ"オトリ"ミタイデス」 ネス「実際そうだよ、コリンは囮」 ファルコン「何っ!?」 ネス「だけどそれはコリン自身が囮になったからなんだ    自分にポポ達の気を引かせて、ぼくたちを先に進ませようとしてね」 マリオ「・・・へ〜・・・」 ネス「ぼくたちから遅れを取っていたのも囮になるためだと思うよ    この高い棚の上にはぼくたちじゃ2段ジャンプでも昇れない    だけどコリンのフックショットなら棚の上に昇れる    出口までの通路もわかる」 ファルコン「あいつ・・・またやってくれたのか       全く、自分を犠牲にするところ、       リンクにそっくりだ」 ネス「・・・そうだね」 自分を犠牲にする・・・ 自分よりもメンバーの身を優先する・・・ リンク・・・君は、もしかして・・・ プリン「次はどっち〜?」 ネス「!・・・あっ・・・次はえーと、左だ!」 〜ホワイトピース・エントランス〜 昼下がり、青空は、いつの間にか 黒ずんだ怪しい雲に覆われようとしていた キャプテンクルールに敗れたと見られるフォックスを ロイがアジトから『最後の扉』を通して、担ぎ込み、 フォックスをドンキーと共に回復させようとしていた ロイ「サムスやファルコは・・・?」 ヨッシー/エメル「マリオさん達の援護にと、         クレムリン軍団アジトへ突入しましたよ         カービィさんと共に、会いませんでした?」 ロイ「ああ じゃあ今ここに居るのは僕らと、    フォックス、ドンキーだけか」          ヨッシー/エメル「いえ、ルイージさんとピチュー、ゼミナスさん、          ついでトルも、ドンキーとフォックスさんの看護にあたってます」 ロイ「そうだったな」 ガンナー「だからオレもいるって!!」 黄色く小さなワニ、ガンナーが大声を張り上げた クレムリン軍団から捨てられた、哀れなワニである いつ自然消滅するのか・・・ はたまた最後まで生き残るのか・・・ ヨッシー/エメル「では、ドンキーとフォックスさんの回復を          済ませちゃいましょうか、プレートはあるので回復装置が使えるはずです」 ロイ「そうだな、良し、2人の部屋へ」 ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ 〜ホワイトピース・第一完備室〜 ヨッシー/エメル「準備は整いました         ドンキーとフォックスさんの回復を行います」 回復装置は、スポットライトのような照明器具であり、 天井から光を浴びせることで傷の回復をさせる 担架に寝かせたドンキー、フォックスに 天井からまばゆい光が降り注ぐと、たちまち二人の傷は 目に見えて消えていく・・・ ヨッシー/エメル「・・・・・・・・・・・・・・」 ドンキー、フォックスのプレートはオレの手中にある ドンキーをさらったならコイツだけの プレートだけでも絶対死守しておけば良かったものを・・・ キャプテン、コマの多い方が勝つとも限らないが、 オレとお前の勝負はあくまで点取りだ お前にオレの相手は難しかったな キュー「回復率・・・100%     回復完了致しました」 コンピューターのアナウンスが入る フッと、光が途絶えた ドンキー「ん・・・・・ん〜・・・」 フォックス「・・・・・・・・む・・・・」 眠りから覚めるように二人が身体を起こし、 目をこすりながらうつむいている ヨッシー/エメル「・・・二人とも・・・大丈夫ですか・・・?」 ドンキー「・・・はい・・・・・・・・」 フォックス「・・・・・・・異常ありません・・・・」 ヨッシーの呼びかけに、即座に起き上がり、 受け答えるドンキー、フォックス・・・ ロイ「・・・?」 ルイージ「よかったぁ!心配したよ二人とも!」 ヨッシー/エメル「プレートは返します          お二人とも、自分の部屋で安静してた方がいいですよ」 フォックス「了解・・・」 プレートをヨッシーが二人に返す          受け取るやいなや、黙って二人は歩き出し、部屋を出て行った ヨッシー/エメル「ダメージは回復しましたが、          精神的な回復には時間が必要ですからね          二人には後でゆっくりと話を聞かせてもらいましょう」 ルイージ「それがいいね」 ロイ「・・・じゃあ、僕らも戻ろうか」 第一完備室を抜け、通路を歩く最中、 ロイはドンキー・フォックスに違和感を覚えていた 彼らの表情に生気は無く、まるで魂が吸い取られたような・・・ いや、それはやはり戦いから復帰したばかりだからか? 少し、事情を聞く必要があるな 何かを隠している気がする 通路の分かれ道を独りはぐれるロイ それに気づいたルイージが声をかける ルイージ「あれ、エントランスに戻らないの?」 ロイ「ああ、僕も自分の部屋でひと休みするさ    すぐにそっちにいくから心配はしないでくれ」 ゼミナス「ロイさんも体を休ませた方がいいものね」 ヨッシー/エメル「そうですね          何かありましたら呼んで下さい」 ロイ「ありがとう」 ヨッシー/エメル「・・・・・・・・・・・」 通路を別れ、遠ざかるロイの背中をヨッシー、もといエメルは静かに見つめていた ロイ メンバーの中では、用心深い男・・・ 特に周りに対する変化にはすぐに気づく ルイージは案の定疑いすらしなかったが ロイはドンキー、フォックスのおかしさに気づいたか 二人に何か聞きだすつもりなんだろうが・・・ お前は、まさか自分が墓穴を掘って自ら棺おけに眠ろうとしているとは そのことにだけは気づけなかったか・・・ 〜ホワイトピース・ドンキーの部屋〜 コンコン 銀色に輝く、分厚い扉を軽くノックする ロイ「いるかい、ドンキー」 ガコッ ガー・・・ ロックが解除され、扉がスーッと開いた 扉の向こう、部屋の中心にドンキーがこちらを凝視している まるであらかじめ来ることが想定できていたように準備がいい ロイ「失礼する    ・・・気分はどうだい・・・?」 ゴー・・・ ロイが部屋に足を踏み入れてすぐ、扉は閉まった ドンキー「悪くない、むしろ最高に気分はいいよ、ロイ」 ドンキーはロイの顔・・・目を瞬き一つせず、 にらみ付けるかのように見続けている 恐怖を感じるほどではないが、 なんとなく嫌に思えたその視線をかわすように辺りに目を逸らす ドンキーの部屋はタルがいくつか並んでいて、 バナナが木箱に溢れかえるほど積まれている 高級ベッドで寝るより、ハンモックで寝た方が心地よいと言うドンキーなら、 今頃疲れた自分を癒すようにバナナを豪快に食べている頃だろう あくまで、ロイの中でのドンキーは・・・だ しかし、普段からメンバーをよく見ている彼にとって、 ドンキーは解りやすい性格、ここまで狂いが生じることは無い やはり、何かが ロイ「・・・ドンキー    ・・・・・・・・一つ聞いていいか?」 ドンキー「何だい、ロイ」 ロイ「クレムリン軍団のアジトで・・・    あったことを話してくれないか」 ふと彼に視線を合わせる やはり彼の目はこちらをとらえて離さない しかし、それから逃げることはせず ロイも強い視線を送り返すように正面から相対した ドンキー「それは、もう酷かったよ・・・ロイ」 口をゆっくり動かし、かつ的確に言葉を発する ロイ「・・・・・・・・・・」 ドンキー「気がついたら、鎖で体を縛られて全く身動きが取れなかった      スマッシュブラザーズについて全てを話せと・・・      腕のやたら太いワニにとことん殴りつけられたなぁ・・・」 ロイ「・・・・・・・・・・それは災難だったな」 ドンキー「どんな風に殴られたかというとね・・・」 ドンキー「・・・・・・・・・・」 ロイ「・・・・・・・・・・ッ!!」

ブゥンッ!!!

ロイ「ッ!!!!!」 ドンキー「・・・・・・・・」 突然ドンキーが右腕を振り上げ、 ロイ向けて殴りかかった・・・!! 寸前、ドンキーの目が相手を威嚇すかのような 凄まじい目に変化した、それに気づいたロイはとっさに後退することで その拳を喰らうことをさけられた 冗談などではない 完全に、本気が込められた一撃・・・ 今の攻撃を喰らっていろ まずまともにたてなくなる・・・! やはり、ただごとではない・・・!! ロイ「ドンキー、君に何があったッ!!」 ッチャ・・・! 素早く剣を鞘から抜き、 構えを取るロイ ドンキーの目はまた"無の目"に戻っていた 何の感情も無い、ただ相手をとらえるだけの・・・ 強く、それでいてどこかやさしさがあった彼の目ではないッ・・・! ロイ「キュー、エントランスに繋いでくれ    音だけじゃない、映像も・・・!」 ドンキーから目を逸らさずに、 壁脇のコンピューターに言った ロイ「・・・・・・・・・・・・」 ドンキー「・・・・・・・・・・・・・」 しかし、応答が無い キューは必ず名前を呼ばれたら反応を起こすはず・・・ ロイは一瞬だけ、ドンキーから目を離し、 壁際のコンピューターへ視線を送った ロイ「!!」 やはりそこには思ったとおりの光景があった コンピューターのモニターは見るに耐えない・・・ 大きなヒビが入っている もちろん機能していない よく見れば小さな破片が床に散らばっている ドンキーが部屋に戻ったそのすぐ後にドンキー自身が叩き壊したに違いない・・・! 罠か・・・?! ひとまずこの部屋から脱出しなくては・・・! 素早く後退し、扉の開閉スイッチを押すロイ カチッ ドンキー「・・・・・・・・・・・」 追いかける様子も無く、 ただじっとロイを見つめるだけのドンキー・・・ ロイ「・・・・・・・・・ッ」 まさか開かないのか・・・? 完全に俺を閉じ込める・・・ということはここで・・・ カチャ ガーッ だが、扉は異常無く開いた ともかくこれで脱出できる 通路のキューは壊されていなかった そこでエントランスにつないで・・・ そう思い、ドンキーに背を向け、 部屋から脱出しようとした・・・ ロイのひたいに、冷たい何かが触れた ロイ「・・・・・・・・・」 次の1秒までの間にロイが解ったことは2つ 自分の額に触れたのは、ブラスターの銃口 そして、それを突きつけるは、フォックス・・・! フォックス「・・・・・・・・・・・」 ロイが避けるよりも圧倒的に早く フォックスはブラスターの引き金を引いた

パァーンッ...

〜クレムリン軍団・アジト・2階・倉庫-B〜 ポポ&ナナ「はあッ!!!」 ゴオオオオオオオオオオオオッ!!!! 二人が伸ばした手から猛吹雪が発生し、 コリンの体もろとも容赦なく包み込む! アイスクライマーのコンビネーションを生かした攻撃を、 コリンは己の身軽さだけを利用してかわしていく いや、それしか出来ることが無い それでも既に何発かの氷の弾を見に受け、 若干ダメージは溜まっているが・・・ 戦力はキューが弾き出したデータ通り、 やはりアイスクライマーの方が強い まともに戦えばこの状況下ではコリンが敗れてしまうかもしれない 相手の気をひきつつ、上手く攻撃をかわすことさえも、 レベルの差で埋められ、攻撃をかわしきれずに受けてしまう ポポ「いつまで逃げ回ってる気なのかな、コリンッ!!」 ハンマーで氷を撃ち飛ばし、ナナが猛吹雪を起こし コリンの逃げ道を塞ぐ 彼らの戦法は徐々にコリンへの最も有効な戦法へと変わりつつあった コリン「・・・・・・・・・・・」 マリオさん達がこの倉庫から脱出できれば、 僕もすぐ後を追えるけど・・・ それまでは、逃げ切り勝負だ 棚から落ちたりすれば、さっきのようには避けられない もう向こうは僕がフックショットを使うことは知れてるんだ アイスクライマーだけじゃなく、足場にも気をつけな・・・あッ・・・!! ガッ!! 気をつける前に、コリンは棚から足を踏み外してしまった・・・! コリン「やばっ・・・・!!」 ポポ「もらったああーーーーーーーーーーーッ!!」 さっそう、アイスクライマーがチャンスを狙い、 ハンマーを構え、コリンの背中を追う コリン「・・・・ッ・・・・成功しろっ・・・!!」 空中で腕を水平に伸ばし、剣をまっすぐ構える 見よう見まね、完成はしていないものの・・・ 試すしかない・・・! コリン「はあああああああああッ!!!!」 素早くコマのように体を回転させる! ナナ「!・・・回転切り・・・・?」 ポポ「へぇ〜・・・」 ブオオオオオオオオッ!!!! 数秒間の、凄まじい回転は突如止まった 足がついたのである コリン「で・・・出来た・・・・回転切り・・・!」 しかし感動してもいられない、すぐにアイスクライマーがやってくる 次の足場を見つけ、また飛び立つ すぐ隣を氷の塊が横切っていき、水面にたたきつけられた 一方、コリンの教えてくれた通路を進み、 ようやく長い迷路を抜け出すことが出来たネス達だが・・・ 扉を前に立ち往生していた・・・体は水に浮かぶ状態だが ネス「・・・鍵穴・・・・・・」 ファルコン「ッくそ、何で鍵が掛かってるんだ!!」 ネス「脱出できるかなとも思ってたけど・・・甘かったかな・・・」 そう、扉には鎖がまかれ、それを解くための錠がくくりつけてある それを解くための鍵が必要なようだ マリオ「皆で力を合わせて扉を敗れないかな・・・?」 ファルコン「無理だ・・・この扉だけほかと違って鉄製で頑丈な上に、       こんな水にぷかぷか浮かんだ状態じゃ、出せる力も出せやしないッ・・・」 ネス「だとすると、鍵を持ってるのは・・・」 コリン「・・・・・・・?・・・・」 逃げながら気づいた マリオ達が出口付近止まっていることに 扉が開かないようだ・・・ もしやと思い、コリンは立ち止まり、 アイスクライマーへと視線を送る コリン「・・・・・・・・・・」 アイスクライマーは一つ向こうの棚に飛び移り、そこで静止した ポポ「気づいた・・・?    そうだよコリン」 ポケットの中に手を入れ、その手を頭の上にかかげた プラン・・・ 手を広げる、指で摘まれた、小さな何かが見える それは鉄製の錆びた鍵のようだ ポポ「この鍵がないとこの倉庫からは出られないよ・・・!」 コリン「・・・・・・・・・・・・・・・・」 ナナ「いつまでも逃げ回ってるだけじゃ、時間の無駄だよ?    下をみてごらん?」 浸水は一向に止まらず、水位はあれから格段に増している 今、落ちてしまえばコリンなら頭まで浸かってしまいそうだ ポポ「このまま水位が天井まで届けば、どうなるかな    氷を操る僕らにとっては、水は最高の味方なんだけどね    それとも君達は泳ぎながらでぼくたちと戦えるのかな・・・?」 コリン「・・・・・・・・・・」 確かにスマッシュブラザーズは比較的、 水上での戦いには慣れていない 常に地に足をつけて戦うのが皆の戦法だから 少なくともコリンにとっては水はキツイ 泳ぎだけは特訓していなかった 逃げているだけでは戦いにならない・・・ だが、・・・まともに戦えば・・・ ポポ「それでもまだ逃げ続けるかな?コリン」 ハンマーを構え、棚を蹴りコリンの元へ飛び移るアイスクライマー・・・! ダッ!! ナナ「にげた!」 ポポ「あれ?」 剣を構えず、背を見せてダッシュ! 予想外というばかりにアイスクライマーは声をもらした ポポ「逃げるなんて君らしくないよっ    リンクなら立ち向かってきたんじゃないかなぁ?!」 小さなその背中にポポが声を、そして氷を放つ コリン「てやあああああッ!!」 棚から高く飛び上がり、体を高速スピンさせ、 わずかだが、浮上し滞空時間を稼ぐ パァンッ━━ 氷はコリンにヒットはするもの、 回転切りの前に粉々にはじかれた! コリン「ッハアァ!!」 ブオオオオオオッ 棚から飛び移るたびに、回転切りを使って 走って飛び移るよりも長い距離を飛ぶコリン そのこともあり、アイスクライマーから距離が伸びてきた マリオ達の元へ行くでもない ただ本当に逃げるだけ・・・! ポポ「ッ!    ・・・さすがに疲れてくるよね・・・    本当に逃げてばっかり・・・!」 コリン「・・・・・・」 ほんの一瞬、チラッと後ろを振り向く アイスクライマーとの距離間を確かめるためなのだろうか 飛び移るたびにそれを繰り返す ナナ「ポポ、わたし達も・・・!」 ポポ「そうするしかないね、ナナ」 白いゴムで互いを繋ぎ、 ナナをポポが大きく投げ飛ばした・・・! コリン「!!」 ゴムに引っ張られ、ポポがナナを飛び越すほど大きくジャンプ 一気にコリンとアイスクライマーの距離が縮まる・・・! コリン「今だッ!!」 ット!! それは彼らのゴムジャンプ直後であった まだ空中にとどまる彼らめがけ、コリンが折り返し走り目掛けたのだ!! ポポ「!?」 棚を蹴り上げ、空中でコリンとポポが向かい合うように対峙する コリンの狙いは・・・ポポ・・・? いや・・・! コリン「ッはぁ!!」 スバッ!! ポポ「しまっ・・・!」 ナナ「あっ・・・!」 ゴムがバチッと音をたてて切れる! ポポの下にゴムで繋がっていたナナは、 引っ張られることもなく、水面に落ちてゆく・・・! ポポ「ナナァ!!」 ナナ「うああああああああっ!」 ザバアアアッ 水しぶきがポポの頬を濡らし、 ナナは水面下へ沈んでいく ッタ コリン、ポポは棚に着地 お互いすぐに振り向く ポポ「・・・・・・・・・!」 すぐ下からナナが水面から頭を出した それを確認すると、ポポは正面のコリンへ視線を戻す コリン「ふう、よかった     上手くいったよ・・・」 ポポ「ゴムジャンプを、狙っていたんだな・・・!」 コリン「・・・そうだよ     カギが2つあって、一つずつポポとナナが     持っていたらこうは出来なかったけどね」 ポポ「・・・・・・・・」 コリン「・・・でもこれで互角になったんじゃないか?     7の半分は3.5 僕の方がちょっとだけ強いね     あくまで数字から見た話だけどね・・・!」 ポポ「・・・・・ッ・・・コリン・・・」 コリン「・・・・・・・・」 だけど、これでアイスクライマーの戦力は実際半減したはず 向こうはコンビネーション攻撃が強い戦法だけど、 一人が相手なら動きも読める・・・! 戦うしかないッ━━!! ポポ「コリン、たとえボク一人でもね・・・    君には負けないんだッ!!」 ハンマーを振り上げながらコリンの立つ棚へ飛び移るポポ ポポ「とおっ!!」 撃ち放たれた氷が、コリンに直撃する瞬間、 体を球のように転がしてそれを避ける タッ ポポが棚の上へ着地 ブリザードを放とうと、手を開くが・・・ ジャギギギッ!! ポポ「ッぐ」 フックショットに身動きを奪われ、 コリンの元へ吸い寄せられる コリン「やッ!」 ズバババッ!! はじき飛ぶポポ 容赦なく爆弾を、ポポが投げる氷のように投げつける ドゴオオオッ!! ポポ「うわぁっ!」 コンボによるダメージ、 コリンはさらなる追撃のため彼の元へ足を進める 剣を叩きつけるように振り下ろすが、 とっさに立ち上がってシールドに防がれてしまった ポポ「えええええええいいいッ!!」 シールドを解く ハンマーを振り回し、体を回転させながら突撃する・・・! コリン「それなら・・・!」 対し、コリンは回転切りでポポに激突! ヅガッ!!! ポポ「ッ・・・!!」 トルネードハンマー vs. 回転切り 威力に負け、再び弾き飛ばされたのはポポであった ダメージが溜まり、より遠くへ吹っ飛び 向こう側の棚へ背中から着地する ポポ「くっ・・・コリン・・・!    ・・・仕方ない・・・!」 ッダ 何か思い立ったように、立ち上がるやすぐさま コリンに背を向け棚から棚へ飛び移っていく コリン「?!」 形成が逆転し、コリンが追う側となったのだろうが、 もしや何かの罠かもしれない あわてて追いかけるのではなく、 ポポを的に、コリンは矢を構える ッシュ 矢はポポに命中せず、彼の横を通っていく コリンの矢を想定してか、ポポはジグザグに飛び移るため 狙いが定まっていも命中する確立は低い コリン「・・・・・・・」 追うか、それとも・・・ コリンはポポがただ逃げているわけではなく、 とあるポイントに向かってることに気づく 入り口━━━! あらゆる棚へ飛び移りながらも、 着々と最初に入ってきた入り口へと向かっているではないか 扉は氷付けになっているが、 隙間から水が部屋に浸水している もしあの氷が溶け、扉が開いたなら すぐさまこの倉庫は水に埋もれる・・・ コリン「まずいッ!!」 剣を鞘に収め、全速力で後を追う・・・が、 当分間に合いそうにも無い しかし、フックショットを使えばポポを捕まえられそうだ 矢のように避けられてはならない 近づけるまで近づいて、フックショットを放たなければ・・・! フックショットを片手に、 ポポを捉えようと狙いを定める フワッ・・・・ コリン「!!・・・・・・・?」 しかし、次の瞬間、コリンは宙を飛んでいた ポポの背中を追っていたはずが・・・ 彼の視界はすぐ真上の天井 コリン「・・・・・・・・・・」 落ちるッ・・・!! 唇を噛み締め、あわててフックショットを棚の淵めがけ放つ ッガ!! やぶからぼうに打った割にはしっかり命中 コリンの体が棚へ引っ張られた ガシっと棚の角につかまる 突然のことに驚いたが、落ちなくて一安心した ポポが氷をすぐに溶かせるか、考えてみると簡単にはできそうにない まだ間に合うと思い、棚の上によじ登ろうと腕に力を込める ザグッ コリン「ッ?!」 右手、手の甲に突如鈍く、重い痛みが襲う 痛みに思わずつぶってしまった目を開いた コリン「!・・・・」 自分の手の上にはポポのブーツが乗っかっていた 体重がめいいっぱい掛けられているのがわかる ポポ「逆に罠にかかったね、コリン・・・!」 声がかかり、上を見上げる やはりポポだ、そしてその時初めて彼の顔がはっきりと見えた コリン「・・・・・・・・・・」 その目は氷のような冷たさを秘めているようにコリンには見える ポポ「よかったよ、君の跡を追っている間に、    棚の表面に氷を張っていたんだよ!」 表情を変えず、ポポはそう呟いた 罠ではない 彼の異変に驚くコリン ポポ「ボクは見ての通り、    スパイク履いてるからね、氷で滑ることはないよ」 グリグリッ・・・! コリン「ッ・・・・・・・」 コリンの手をさらに強く踏みつけた 手首をわずかに血が伝う ポポ「さて、どうしようかな・・・    顔面を氷付けにしちゃおうか?    そうすれば息ができなくなっちゃうね!」 コリン「・・・ずいぶんこわいことを言うんだな・・・」 ポポ「・・・バトルなんだから、こわいも何もないでしょ」 コリン「ッ・・・・・・・・・・」 みんな・・・どうすれば・・・ ポポ「こんなとき、よく仲間が助けに来てくれて一発逆転することが多いよね」 コリン「!・・・」 思わず唾を飲む ポポ「だけど、ここは入り口に近い    マリオ達は出口付近、流石に間に合わないよ」 コリン「・・・・・・」 確かにマリオ達が戻ってきていたとしても、 泳いでここまで助けに来るとは、考えられない・・・ そういう意味でも、この罠に堕ちたのは大きな失敗だ ポポ「これが一対一    自分以外に頼りになる者はいない    そこには、本当に強い奴だけが生き残る    ・・・まさにその通りだよね」 コリン「・・・・ッ・・・」 ・・・・・・コリン・・・・・・・・ コリン「!・・・」 耳にかすかに聞こえた、自分の名前を呼ぶ声 聞き覚えの確かな者の声であった コリンの懐に急に熱が発生 ・・・・・貴方に預けた、知恵の欠片・・・・・・・・ 再び声が聞こえる どうやらポポには聞こえていないらしい・・・ 耳というより、意識に直接響くような感覚だ ・・・・・・勇気、力のほかに、知恵を持ちなさい・・・・・・ コリン「!!・・・・・・・・・」 ハッと意識が戻る ポポがブリザードを放とうと手を構えようとしている・・・! コリンは右手を踏まれているが、 彼の利き腕は左 そう、左手にはフックショット コリン「それッ!!」 ギギギギギギギッ・・・ コリンは自分より後ろ、斜め下、自分が背を向けている棚に フックショットを放った・・・! ポポ「無駄だよ、逃がしはしないさ」 ッググググ・・・ コリンの右手にかかる体重がさらに増す しかし、逆にそれが好都合であった ポポ「凍っちゃえ!!」

『ブリザード』

ブオオオオオオオオオオオッ!!! コリン「うッ・・・・!!」 凄まじい猛吹雪に、コリンは顔をうつむかせる この間近にブリザードをくらえば、ダメージは大きい グググ・・・ フックショットが鎖を絞る そして、その時だった

ジャギジャギジャギジャギッ!!!!

コリン「たあああああああああッ!!!」

フックショットを思い切り引き寄せる 鎖に捕らわれた、大きな木箱が下から迫ってきた・・・!! ポポ「う・・・うぁ・・・っ!!!」

ドガアアアアアアアアッ

砲丸などの重機が詰まった木箱はポポの顔面に激突!! 天井に強く強打し、そのまま目にも止まらぬスピードで水面にたたき付けられていった コリン「はぁ・・・はぁ・・・」 フックショットを使ったとは言え、 重い木箱を引っ張ったことで相当体力を消耗したようだ ゆっくりと棚の上に転び上がる ブリザードのダメージもあり、コリンは強いめまいに襲われた まともに歩くことは難しい 自分の足元をふと見ると、 ポポが持っていた鍵を発見 拾おうと、しゃがんだ・・・その時である グラァ・・・ 視界が大きく横転 気が一気に遠くなり・・・ 鍵を握り締めた直後、コリンはそのまま倒れこんでしまった・・・ このとき、彼の耳に残ったのは、 自分の名前を呼ぶマリオ達の声だったという
次回 『天使』 止まらない、見えざる力・・・!
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