<<もどる
スマブラ小説 【PEACE/PIECE END】
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
まだ、僕がこの世界に生まれる前のこと
光の届かない闇の中で、初めてその声を聞いた
まだ、何も知らない僕には、それが誰の声かはわからなかった
闇の中ではっきりと聞こえるその声に、僕は静かな気持ちで耳を傾けていた
「この力をお前にやろう、全てを叶える大いなる力を・・・」
すると、僕の中の闇に一筋の細い光が差し込んだ
白く、まばゆいその光を手にしようと腕を伸ばす
光は僕の手のひらをしろく照らした
「好きに使うがいい、その力はお前のものだ
新たな世界を創るも良し、気の済むまで破壊を繰り返すも良し
天使となり人に幸を与えるか、人に死を与える死神となるか、全てはお前の自由だ」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「なりたい・・・」
・・・何に・・・?
「人を救う・・・天使に、なりたい」
僕は、自分でも知らないけどそう願い、そう答えていた
まだ、何も知らないはずの僕は・・・・・・・
「・・・・・・・いいだろう
ならば、お前には翼を授ける」
細い光の筋は、一気に大木のように太く、強さを増した
僕を包んだ闇は光に照らされ、白い世界が広がっていく
「大空を舞うがいい
お前は自由だ」
「・・・じ・・・ゆう・・・」
やがて、白い光の波が僕を飲み込み、
まばゆい光の中で僕は生まれた
この世界に
第9話
天使
〜クレムリン軍団・アジト・3階・通路〜
【あらすじ】
キャプテンクルールを倒すため、アジトへ突入したマリオ達
途中、意識を失った傷だらけのフォックスを発見
クルールの仕業と判断したマリオ達は、クルールの居場所を
突き止めようとするが、2F倉庫内にて突如アイスクライマーが
味方であるはずのマリオ達に攻撃をしかける
倉庫内から脱出するため、コリンが一人アイスクライマーに立ち向かい、
なんとか脱出に必要な鍵を手に入れるが・・・何故アイスクライマーが?
一刻も早くメンバーは、クルールの居場所であろう部屋へと進む
ざぶ・・・・ざぶ・・・・
狭い一本道の廊下を、
マリオ達は腰まで水に浸かりながら着々と前進していた
倉庫でのコリンとアイスクライマーの対決は、
コリンが勝ったようだが、彼は疲れ果てたのか、
マリオ達がかけつけた時にはすでに意識を失っていた
今ではファルコンの背中にかつがれ、ぐっすりと眠っている
意識を失いながらもコリンの手にしっかりと握られていた鍵を使い、
マリオ達は何とか倉庫から脱出することができた
2階はすぐに水の中に沈んだが、今いる3階も現時点で水位の上昇が早い
アジトを水没させるということは・・・既にここから逃げている可能性も考えられる
マリオ「見えてきたな・・・」
長い廊下を遂に渡り終え、
大きな扉の前にマリオ達はたどり着いた
途中、廊下の壁には、歴代のキングクルールの肖像画が壁に飾られていた
いよいよこの先がクルールの部屋だと確信する
マリオは扉を前に、後ろを振り返る
ネス達は何もいわず、マリオにうなずいて見せた
ゴオオオオオオオオオオオ・・・・
大きな扉が水を押してゆっくりと開いていく
部屋に水が一気に流れ込み、水位が下がりはじめた
マリオ「なッ・・・!」
ネス「!!」
ピカチュウ「!?」
が・・・そこにクルールの姿は無かった・・・!
窓から日の光が差し込み、マリオ達を照らす
ファルコン「もぬけのから・・・やはり逃げられたみたいだな」
ウォッチ「ソンナ!」
マリオは部屋に入り、急いで窓から外を眺めた
案の定、下の階は完全に水の中に沈んでいる
ここから飛び降りて、泳いで逃げることはクルールには簡単なことだったろう
いや、モーターボートかもしれない・・・そうすればもう居場所はわからない
ッドン
マリオは壁に拳をぶつけた
ここまで来て、逃げられたことが悔しかったのだろう
ネス「・・・なるほど・・・・・・」
マリオ「?・・・」
すぐ隣にいつの間にかネスが居た
ぼそっとつぶやく彼に顔を向ける
ネスは窓から身を乗り出し、遠くを指さして言った
ネス「あそこをごらん、大きな水溜めからこのアジトまでに水流ができてるよ」
マリオ「あ・・・本当だ」
ネス「ダムだね、このアジトを水中に沈めるように、
ダムから水を引いてきたんだ・・・・・・・」
見てみれば、確かにダムと思える場所から、長く、大きな
川がアジトに向かって流れ込んでいる
水がうまく流れ込むように、ダムからアジトは下り坂となっていて、
へっこんだ大地の中のアジトに水が流れ込めば、簡単に水中に沈む仕組みとなっている
プリン「みんな、これみてみて、手紙だよー!」
部屋の隅っこでプリンがメンバー達を呼び出した
皆がプリンへと集まる、プリンのすぐ近くの柱に、
メモらしきものが壁にはりつけてある
ピカチュウ「もしかして、キャプテンクルールの置手紙?」
プリン「ううん、違うみたい 最後にサムスって書いてあるよ
他はよめないからわからないけど、よんでみてよ!」
どれどれ、とファルコンが書置きのメモを手に取り、読み上げた
========================================
キングテレサに案内されて先にここまでたどり着き
アジトをくまなく探したがキャプテンクルールの姿を確認出来なかった
皆と合流しようかと思ったが、都合があって先に鍵を使って帰らせてもらう
折角の応戦にと出向いたはずだったのだが・・・すまない
皆の無事を心から祈り、ここにメモを残す
サムス
=========================================
マリオ「これ本当にサムスが書いたのか?」
ファルコン「ああ・・・文章書く時は男寄りの文なんだ」
ピカチュウ「・・・(何でそんなこと知ってるんだろう)・・・」
ネス「それよりサムスがこのアジトに来てたなんて
合流しなかったのは本当に惜しかったね」
マリオ「でも待てよ・・・ここまで来るのに最低でも
倉庫を通ってこなくちゃいけないよな・・・?
アイスクライマーとは会わなかったのかな・・・?」
ネス「・・・すれ違いでもしたんだと思うよ」
メモをファルコンがポケットに仕舞いこむ
ファルコン「それで、どうする?
一応この部屋だけでも調べてみるか?」
ピカチュウ「うん、そうしよう!」
ネス「意味ないんじゃないかな
何か大事なもの残してアジトを去るとはちょっと・・・」
ファルコン「んん・・・」
部屋の中にはいくつか、中身の無い宝箱が散乱している
それを見ると、財宝だの何だの、大事なものは残されていそうになかった
ファルコン「・・・」
何か思いついたかのようにファルコンは一人歩き出し、部屋の中央
広い壁にデカデカと飾ってある、キャプテンクルールの肖像画の前で立ち止まった
ファルコン「もしかしたら、この肖像画の裏にとんでもないものがあるかもしれないだろ」
そう言って振り返りながら、額縁をコンコンと軽く叩いて見せた
ネス「・・・・・」
マリオ「・・・・・」
ウォッチ「確カニアリソウデスネ!サスガファルコンサン!」
プリン「ぜったい何か隠されてるよ!たぶん、宝の地図!」
ファルコンがその肖像画の額縁に手をかけた
マリオとネス、ピカチュウは緊張した眼差しで見届ける
ガコッ
コリンを抱えながら、片手で軽々と大きな絵を持ち上げ、床に倒す
ガサゴソガサゴソガサソゴガサゴソッ!!!!
ファルコン「ッ!!」
ピカチュウ「ひゃッ!?」
得体の知れぬ黒い何かが壁から素早く部屋の隅に逃げ隠れただけで、
額縁の裏には何も無かった
ファルコン「ッチ!、余計だったか・・・!」
腹立たしくなったのかクルールの絵を足で踏みつける
それを眺めている間に、マリオはとっさに思いついた
マリオ「額縁、額縁を開いてみてファルコン」
ファルコン「ん?」
マリオ「もしかしたら、何かあるかも知れない」
それはただのカン・・・というよりも、あてずっぽに過ぎなかった
だが、マリオのそのカンが、見事に的中し、クルールが取り忘れたであろう、
とある何かを見つけ出すとは思いにもよらなかった、当の本人さえもだ
ファルコン「それじゃあ、開けてみるか」
カチ、カチッ・・・
バタン・・・・・・
額縁の留め金が外される
倒れた額縁と絵の隙間から、それは現れた
〜ホワイトピース・エントランス〜
ガー
ロイ「・・・・・・・・・・・・・・」
フォックス「・・・・・・・・・・・・・」
ドンキー「・・・・・・・・・・・・・」
すでに昼下がり、
エントランスに3人のメンバーが入ってきた
その中のロイの表情はエメルの想像通り、・・・
とても生気のある顔ではなかった
エメル/ヨッシー「あれ、3人とも揃ってどうしたんですか、
体を休めていてもいいんですよ・・・?」
ルイージ「そうだよ、せめて兄さん達が帰ってくるまでは部屋で休んでた方が」
ロイ「いや、僕はもう元気だ 力有り余るほどに」
そして、3人はそろって誰とも目をあわせず、ジッと壁のモニターを見つめた
ピチュー「ロイさんも、ドンキーも、フォックスさんも、
元気なさそうですけど・・・本当にだいじょうぶですかぁ?」
エメル/ヨッシー「(・・・・・・・・・・・・・・・)」
さすがに様子がおかしいのはバレバレ過ぎるが、まあいいだろう
どうせここにいるザコどもには何もできねぇ
奴らがここに来たら全ての駒が揃う
その時に、オレはキングになれる・・・!
後はもはやピースを見つけるだけの話だからな
モニターでは、未だに謎の惑星Xのニュース、
そして時折スマッシュブラザーズにクレムリン軍団が
立てこもったという、何時間ほどか前のニュースが繰り返し流されている
トル「今日のテレビはずっとこんな調子カナ
昼ドラ、楽しみにしていたんだけどな、残念ダヨ」
ゼミナス「確かに今日は楽しみだったけどね、
マリンがミッチーの浮気現場に遭遇して、
果物ナイフを手に握り締めて終わりだったからね」
ルイージ「二人ともそんなのいつも見てたんだ・・・はは、意外だな」
トル「まぁ、謎の惑星Xも見てて面白いけドネ
多分これからの展開は、調査隊が宇宙船に乗って惑星Xに向かうも、
そこで目にするは、恐るべき殺人エイリアン・・・」
ゼミナス「それで殺した人間そっくりに化けて、
地球へ帰還、そこからが面白いとこね」
ルイージ「こ、この二人コワッ」
ピチュー「・・・・・・・・・・・」
ピチューは二人の話を聞きながら、小さく震えていた
彼らの話を頭に思い浮かべて怖くなったのだろう
そんなピチューの様子に気づいたトルは優しく声をかけた
トル「大丈夫だよピチュー そんなこと起きはしないさ
たとえ起きてもスマッシュブラザーズが必ずやっつけてくれるハズ
スマッシュブラザーズはこの宇宙で一番強いかラネ」
ピチュー「そ、そっか!良かったぁ・・・
って、ボクもスマッシュブラザーズじゃん!」
ルイージ「あはは!期待してるよピチュー、
エイリアンたちをやっつけてくれるよね!」
ピチュー「ルルル、ルイージがやれぇっ!」
「あははははは!こわがってる!」
部屋の中にルイージ達の笑い声がひびく
その一方、部屋の隅に固まるロイ、ドンキー、フォックス
そしてエメルは黙って彼らの会話を耳にしていた
エメル/ヨッシー「・・・・・・・・・・・・・」
実に頼もしい奴らだ
その、エイリアン共を倒してくれるとはな・・・
お前達に適うか?宇宙最強の存在に・・・
ガチャッ・・・
ルイージ「!」
ピチュー「あっ!」
エメル/ヨッシー「!・・・・」
最後の扉から、鍵の開く音が聞こえた
それは、メンバー達がアジトから帰ってきたことを意味する
グググググググググ・・・
ピチュー「帰ってきた!」
ルイージ「ふ〜、やっとかな」
最後の扉はどんどん大きく変形し、やがて
たくさんの宝石が扉から浮き出る
ガチャッ・・・・ザァアアアアア!!
ピチュー「うわっ!」
ルイージ「ひゃあ!水ー!?」
マリオ「ただいまああああッ!!」
ファルコン「うおおッ、やっぱり水が・・!」
ネス「は、はやく閉めないと!」
扉が開くと同時に、水が勢いよく流れ込んだ!
慌てながらマリオ達は急いで出て、扉をバタンと閉める・・・!
キュー「ピピピ!メンバーを確認
マリオ、ピカチュウ、ネス、ファルコン、コリン、ウォッチ、プリン、
室内に異常な水位を確認、排水システムを作動します・・・」
扉が閉まると、最後の扉は元の状態に戻り、水の浸入も途絶えた
皆、服をぐっしょり濡らしていて、体から水滴がポタポタ垂れている
エメル/ヨッシー「・・・・・・・・・・・・?・・・」
ルイージ「兄さん、一体何があったのさ!?」
マリオ「それが大変だったよ・・・、クルールの奴が
アジトごと水没させようと水を流し込んだんだ・・・」
ファルコン「おかげでこんな状態さ
当の本人はシッポまいて逃げてるしな」
ルイージ「え!にげ、逃げられた・・・の!?」
ネス「それでも、いい手がかりだけは見つけてこれたんだけどね」
トル「キュー、タオルを彼らの人数分出してクレ」
ゼミナス「私は洋服の着替えを持ってくるわ」
マリオ「ああ、ありがとう、トル、ゼミナス」
ゼミナスが慌ててエントランスから飛び出していった
そのあと空中からタオルが現れ、それぞれ水をふき取る
ルイージ「ん?コリンはどうしたんだい?」
ファルコン「ああ、ちょっとあってな・・・
そのこともあって皆に大事な話もあるんだが
まずはコリンを回復装置で回復させた後だ」
真剣な表情でファルコンはそういうと、コリンを抱えたまま
エントランスを出て行った 明らかにダメージを負っているコリンを、
ルイージたちは心配そうに見つめている
マリオ「あ、フォックス!もう体の方は大丈夫か?」
・・・・・・・・・・・・
フォックス「ああ」
マリオ「!・・・・・・」
モニターに釘付けだったフォックスがマリオを強くにらみ、
一言だけ返答し、再びモニターに目を移した
その一瞬のフォックスの視線に、マリオは異様なものを感じた
ヨッシー/エメル「・・・これだけですか?」
マリオ「?」
ルイージ「そ、そうだね・・・サムスやファルコは?カービィも・・・」
ピカチュウ「?」
ピチュー「???」
その直後、皆お互いに人を探すように室内に目を見張らす
彼らには、居るはずと思っていたメンバーが今ここに居ないからだ
それはエメルにも言えたことだった
マリオ「サムスたちは先にここに帰ってきてるはずだぞ」
ルイージ「え?!」
ウォッチ「ダッテ、向コウデハサムスサンノ置手紙ガアッテ、
先ニホワイトピースニ帰エルト書イテアリマシタヨ?」
エメル/ヨッシー「!・・・・・・・・・・・・」
マリオ「そうじゃなくても、今頃アジトは完全に水没してるはずだし、
ここに帰ってきてるはずなんだけどな・・・?」
ピチュー「で、でもサムスやトリは、マリオたちの援護にって
アジトへ向かったんだよ、途中で帰ってくるわけないじゃん!」
ピカチュウ「そ、それはそうだけど・・・あれ?
つまりどういうこと・・・?」
その場の皆が困ったような顔をした
そして、若干の間の後、ネスが口を開いた
ネス「ねぇ、サムスたちの援護を頼んだのって誰?
ぼくらは呼んではいないはずだけど」
エメル/ヨッシー「!!・・・・・・・・・」
ルイージ「え・・・ええと・・・・」
====================================
〜第7話・回想〜
ヨッシー/エメル「サムスさん!ファルコさん!」
サムス「ヨッシー・・・」
ファルコ「ん?お前今頃来たのか?」
フロアに入ってまず最初に目に付いたのはヨッシーの姿だった
そしてすぐに彼の身体が傷だらけであることに気づく
ファルコ「何でお前一人でボロボロになってるんだよ」
ヨッシー/エメル「・・・私がフォックスさん達から
私達の分のプレートを返してもらおうと、
クレムリン軍団のアジトまで行ってきたんです」
ファルコ「・・・・・・・・・・」
ヨッシー/エメル「ですが、驚いたことにキャプテンクルールは
倒されていなくて・・・奴が隙を狙って、
フォックスさんを襲撃したんです」
ファルコ「なんだよ、まだ倒せてなかったのか」
ヨッシー/エメル「なんとか私だけプレートは持ち帰って来れましたが・・・」
そういってエメルはここにいるメンバー分の
プレートが入ったふろしきを取り出し、サムスに預けた
サムス「ありがとう、ヨッシー
丁度ドンキーのためにプレートが必要だったの」
ヨッシー/エメル「そして、マリオさん達が言っていました
応援が欲しい・・・来られるメンバーは来てくれ・・・と」
サムス「OK、いくわ
ルイージ、このプレート ドンキーを回復させてあげて」
ドンキーのプレートをサムスがルイージに手渡す
ファルコ「仕方ないな、オレが居ないと本当にスマッシュブラザーズはなってねぇ」
得意げに言いながら、ブラスターを構えるファルコ
カービィ「じゃあボクもいくよー!」
ヨッシー/エメル「急いでください・・・もしかしたらもう戦っているかもしれません」
エメルが最後の扉へと近づく
すると、扉はクレムリン軍団アジトへとつながった
重い扉を開け、サムス、ファルコ、カービィが急いで突入する
====================================
ルイージ「たしかヨッシーだったよね?
兄さんたちが応援を欲しがってるって言ったの
それでサムスたちがアジトに向かったんだよ」
エメル/ヨッシー「・・・・・・・・・そう、でしたね・・・・・・・・」
マリオ「?」
ヨッシーはこのとき誰もいない方向に目をそらし、ひとりつぶやくように言った
ネス「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ネスはそんなヨッシーをジッと見つめ、心の内を密かに探り出す
エメル/ヨッシー「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
オレの計画とは随分食い違ってやがるが・・・どうなってんだ?
そもそもサムスたちは一体どこに消えやがったんだ
・・・マリオ達を置いて先にアジトに帰るワケがねぇ
キャプテンを完璧に潰せたはずだったが・・・
!!
・・・まさか、・・・サムスたちは・・・
ネス「ねえ、ヨッシー」
エメル/ヨッシー「なんッ・・・・ですか?・・・」
ルイージ「?」
マリオ「?」
ネス「ぼくたちは応援を頼んだ憶えはないんだけど
どうしてサムスたちにそういったの?」
エメル/ヨッシー「!・・・・それは・・・もちろん・・・」
ネスが一歩、ヨッシーの前に歩みよる
ネス「まぁ、そのことについてはキャプテンクルールを見つけ出すためにも
必要なことだったかもしれないから別にいいんだけどね」
そう、ヨッシーがまさにそう返答しようとした直前にだった
ネスがヨッシーの返答を読み上げるようにして言ったのは
ネス「もう一つ質問があるんだけど・・・」
ネスはさらにもう一歩踏み出した
その先には、ヨッシー、後ろにロイ、ドンキー、フォックスの姿
その場はシンと静まり返り、緊迫した雰囲気が室内を包み込む
ネス「『オレの計画』って何?
なんだか随分興味深いこと考えてるみたいだけど
あまり思ったとおりにはいかなかったみたいだね?」
エメル/ヨッシー「!!」
マリオ「へ・・・?」
ルイージ「どういうこと・・・?」
今のネスの、ヨッシーに対する表情には敵対心が現れていた
エメル/ヨッシー「・・・・・・・・・・・・」
そうだ、コイツは心が読める・・・!
今まではメンバーのヨッシーとして、心を読まれても平気なように
無心を保ってきたが・・・、今オレの計画と違う事態が起こって
とても無心にはなっていられなかった・・・!
今この場でも奴はオレの心を読んでいる・・・!
いや、だがトボケ通すこともできる、マリオ達にはオレが・・・
ダメだ・・・もう遅ぇ、少しでも怪しまれればこの先不都合が・・・
待て・・・逆にこれはチャンスだ
どっちにしてもオレはここでスマブラメンバーのヨッシーをやめるつもりだったんだ
役者不足だが何の問題もねぇ、それどころが逆にオレが王手をかけられる
キングになるのはオレだ
ネス「キング・・・?」
エメル「ああ、キングだ」
その直後、ヨッシーは消えた
メンバーの知ってるヨッシーは消え去り、
突如謎のに包まれた敵が目の前に現れた
エメル「オラァッ!!」
ネス「PKファイアーッ!!」
それはあまりにも唐突でその上、目に捉えるのに困難な攻撃だった
ヨッシーの姿をした敵が何かをいきなりネスに向け、投げ飛ばしたのだ
それと同時に、ネスもPKファイアーを放ち、応戦する!!
パァアンッ!
砲台の弾のような何かはネスのPKファイアーで木っ端微塵に破裂した!
それがまさに合図となり、エメルがネスめがけ突進する・・・!
マリオ「な、どうッ・・・?!・・・え!!?」
マリオ含め、メンバー達はあまりに突然のことに
何が起こっているかの理解に遅れた
ネス「あのヨッシーはぼくらの仲間のヨッシーじゃない!
全く違う、・・・敵だ!!」
ッシュル、ギュルルルルルルルル!!!!
前を向きながらマリオ達にそう言いうと同時に、
ヨーヨーを思い切り放った!
エメル「オレの名はエメルッ!」
ヨーヨーが激しく振り回される空間を見事に通り抜け、
ネスへ挨拶がわりにと、蹴りが飛ぶ・・・!!
ッドゴ!!
ネス「ッぐ!!」
凄まじい勢いで放たれたキックはネスにクリーンヒット
それはまるでミサイルのようなスピードと破壊力を持っていた
ヨーヨーを振り回している間はシールドを張ることができず、
ネスは攻撃をもろにうけ、壁に身を強打してしまった・・・!!
マリオ「ネス!!」
ピカチュウ「!!」
ルイージ「ど、どうしたんだヨッシー!!?」
ルイージが叫ぶ
だが、ヨッシーはそこには居ない、居るのは
エメル「エメルだッ!!」
ピカチュウ「ッ・・・?!まさか・・・
ポポたちみたいに操られて・・・?」
マリオ達の脳裏に、アイスクライマーが自分達に
突然攻撃を仕掛けてきた光景が浮かぶ
それは、まさに今の状況と瓜二つだった
ネス「そいつは敵!ヨッシーなんかじゃない!!
倒さなくちゃ・・・!」
ダメージを喰らいながらも、なんとかネスは立ち上がりそう言った
片手で攻撃をくらった腹部に手をかざすその姿が、
エメルの蹴りがいかに凄まじい威力だったかを物語っている
マリオ「そ、そういうことならッ・・・!!」
ピカチュウ「!!・・・」
マリオたちは慌てて戦闘態勢に入った
しかしまだどこか状況がつかめず、混乱してるようにも見える
エメル「ロイ、ドンキー、フォックス
マリオたちをブッ倒せ」
マリオ「!?」
ネス「!!」
ロイ「・・・・・・・・はい」
ドンキー「・・・・・・ウウウッ!」
フォックス「・・・・・・了解」
信じられないことに、今まで黙り込んでいた3人が、
まるでボスからの命令を受けたかのような反応を示した
事実、そうなのだろうか、3人がそれぞれ戦闘態勢をとる
マリオ「な・・・・何がどうなっているんだ・・・・・?!」
マリオは既にワケがわからなくなっていた
あまりに突然の出来事、その度重なる連続に・・・
もはやついてくことができなかった
フォックス「ッハ!!」
ドグッ・・・!!
立ち尽くしたままのマリオに、
フォックスの拳が真正面から容赦なく叩き込まれる!
エメル「・・・・・・・・・」
こん中で一番レベルが高ぇのはネス
奴はオレが相手をするとして、残りのカスメンバーは
最高レベルのフォックス、ついでロイ達に任せれば十分だ
誰からつけられたか知らねーが、奴らはすでにダメージが溜まっている
オレが本気を出すまでもない、この色のままで楽勝だ
トル「キュー!皆をそれぞれ1人ずつトレーニングルームへ転送するンダ!!」
トルは戦いを止めようと、キューに声をあげるが・・・
エメル「(無駄だ、コンピューターなんざとうの昔にオレの飼い犬だ)」
キュー「・・・・・・・・・・・・・」
キューはなぜか反応を示さない
さっきまで問題なく動いていたはずだが・・・
エメル「ッハ!!」
ロイ「トオッ!!」
ドンキー「ウオオオオッ!!」
ドゴッ!!ッゴオオオオン!!!
ズバッ!!ガアアン!!
それは乱闘・・・ともいえない、
あまりにも一方的な戦いだった
エメルとロイ達は回復装置で回復したばっかりの状態、
対しネス達はアジトから帰ってきたばっかりの状態
初めからあまりにも不利な戦況の中、その差はみるみる開いていく・・・
ゼミナス「みッ・・・皆・・・・どうしたのッ!?」
トル「姉さん!危険だ、今すぐここから逃げて!早く!!」
ゼミナスは着替えを持ってきたが、
目の前で繰り広げられている光景に戸惑い、立ち往生してしまった
慌ててトルがゼミナスを部屋から押し出した
ガンナー「ハハ・・・ハ・・・いいぞッ!!
やれやれッ!!はははははッ!!
なんかしらねーがこりゃいいやぁ〜!!」
マリオ「うッ・・・・・」
気がつくとマリオは床にひざまずき、嘔吐していた
なぜ・・・どうして、こんなことに・・・
ネス「マリオ!しっかり!」
マリオ「!・・・ネス・・・・」
顔をあげると、すぐ手前でネスがヨッシー・・・に見える敵と戦っている
エメル「テメェじゃオレに傷一つつけられねぇよ」
ッドゴオオオオオッ!!!
ネス「がッ・・・は・・・!!」
マリオが知っているヨッシーとは違って格段に素早く、
その上力強い蹴りを放ち、ネスが目の前で吹っ飛ぶ・・・!
マリオ「・・・・・・・・・・・」
ドゴッ・・・
今度は後ろで鈍い音がした
振り返った直後、床にピカチュウが倒れこんだ
剣でズタズタに切りつけられている・・・
その先にはプリン、ウォッチがひれ伏している
マリオはその光景を目にして、恐怖した
自分達が今まで行ってきた戦いとは、かけ離れたものだったからだ
スマッシュブラザーズ同士で戦う時、もちろん手加減などはしない
だが、ルール上吹っ飛び場外に出たら負けである故、
戦いの目的は、いつしか相手を吹っ飛ばすことになっていた
降参といえば、すぐに試合も終わることができた
だが、今目の前にある戦いは違う
場外に出ることも無い室内空間、目的は相手が再起不能になるまで、
徹底的に攻撃、攻撃、攻撃・・・・さらなる攻撃の繰り返しだ
そこには、自分たちが決して持たなかった、殺意といえるほどの気が漂っている
ッゴオオオオオン!!
ルイージ「うっ・・・ぁああ!!」
ドンキーのジャイアントパンチが、ルイージに振り下ろされた
まだ立ち上がろうとした彼を、立てなくするように・・・
マリオ「!!・・・・・・・・」
それは本来の戦いの姿であった
マリオはあの事件以来、戦いから遠ざかっていた
本気で相手を倒そうという戦いが、どれだけ怖いことか忘れていた
怖い・・・・・怖い・・・・・!!
マリオ「うわ・・・あああああッ・・・・」
ガクガク震えながら、マリオは床をはいずる
立ち上がったらブッ倒される
それも容赦なしに・・・!
ルイージ「に・・・兄さん・・・・・・・!」
マリオ「!!・・・ルイージ・・・!!」
マリオは後ろを振り返った
遠くで同じように床に倒れこんだルイージが、
自分にむけて助けの手を求めている
そのルイージにドンキーがさらなる追撃を加えようと腕を振り上げている
マリオはそんなドンキーの眼を見て更なる恐怖を覚えた
マリオ「くッ・・・・・・・!!」
ドゴオオオオオオオオッ!!!
凄まじい音が室内に響き渡る
いつの間にか、全員倒れこんでいることあって、
その音は異様に大きく聞こえた
マリオ「・・・・・・・・・・・・」
・・・しかし、彼は背けた
目を背けたのだ、自分の弟を救うこともしないまま、
そして恐怖から逃れるかのように床をはって進んだ
マリオが目指していたのは、最後の扉だった
あの扉を使って脱出しなければ・・・この空間から、
真の戦いが行われている、この空間から・・・!
フォックス「・・・・・・・・」
そんなマリオに黙って背後からブラスターを向けるフォックス
だが、エメルがそれを手をかざして阻止した
恐怖の戦闘開始からわずか3分
嘘のように室内を静寂がつつんでいる
エメル「平和ボケしたな・・・マリオ・・・」
笑みを浮かべながら、エメルはマリオの背中にそう投げかけた
すでに戦意ある者は無し、
紛れも無く、エメル達の勝ちだった
エメル「戦いってモンがどんな味がするか忘れちまったんだな
軽いおままごとで強くなれるワケがねぇ
本当の戦いっつーのは鉄の味が舌にまとわりつくって知ってたか?」
マリオ「ッ・・・・・く・・・・・・」
少しずつ、はって進み、最後の扉までたどり着こうとするマリオ
エメル「挙句の果てにゃ、そのザマか
戦いが怖くなってにげるたぁな、Mr.なんとか」
失望したぞ・・・マリオ・・・
ついこの間見せてくれたお前達の戦いは、幻か?
エメル「逃げたければ逃げろ
テメェにこの世界は任せられねぇ
今にオレがこの世界を牛耳ってやる
戦いの出来ねぇ奴は消えろ」
マリオ「・・・・・・・・・・・ッ・・・・・・・・」
最後の扉が変形し、茶色いドアへと変形していく
表札が現れ、その表札には「マリオ&ルイージ」の文字・・・
ガチャッ・・・
ドアが開き、マリオはそのまま自分の家へ逃げ込んだ
ルイージ「に・・・・・い・・・・・さ・・・・・」
ルイージは、自分を置いて一人逃げる兄の姿を最後に、気を失った
バタン・・・
扉は閉まり・・・、最後の扉は元に戻っていく
エメル「・・・・・・・・・」
〜マリオとルイージの家〜
マリオ「はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・」
マリオは一心不乱だった
未だに心臓が大きく音をたてている、まるで殴られているかのように
この時にはまだ、自分が犯した罪、失ったものの大きさがマリオにはわかっていなかった
彼に今出来ることは・・・ただ、恐怖から逃れる・・・
現実から、逃れるための術を考え、実行するだけだった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[5日後]
AM 5:45
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「!!・・・・・・・」
ふと、俺は目を覚ました
「・・・・・・・・?・・・・」
起きて最初に視界に映ったのが、柱だった
・・・正確に言えば、それは椅子の脚だったのだが
ハッと起き上がる、そこはどうやら玄関のようだ
なぜ・・・、俺はこんなところで寝ていたんだ・・・?
ふと鏡を見る、酷い誰かが映った
自分だ、・・・傷だらけで、服もボロボロで一瞬誰だかわからなかった
こんな奴は俺じゃないと、認めたくないだけだったのかもしれない
「ルイージ・・・ルイージ・・・?」
弟の名前を呼ぶが一向に返事がない
未だに眠りこけているのか、確かめようとベッドへと向かう
しかしそこに俺の弟ルイージの姿はなかった
・・・ルイージは俺よりいつも起きるのが早い
だから今も寝ているなんてことはあるわけないか・・・
そう思うと次の疑問がわく
ならルイージはどこに・・・?
朝食をとった形跡も見られない、朝から散歩か?
玄関に戻ると、なるほど靴がない
そうか、朝の散歩に出かけたのか・・・
なら俺もルイージを見習って散歩に出かけるか
ドアを開け、いざ意気揚々と外へ踏み出た
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
バタン
酷い雨だ、散歩できたもんじゃない
・・・あのルイージにこんな雨の中を散歩できる根性が座っているとは考えられない
なら一体・・・どこに・・・
「・・・・・・・・・・・・・・うッ・・・・・・・・・・」
知っている
解っている
ルイージを・・・俺はルイージを置いてきたんだ・・・ッ
ただ、夢だと信じたかった
少し嫌な悪夢を見ているだけで、
起きたらいつもの日常が始まると思っていたかったッ
徐々にあの時の記憶が鮮明に脳裏によみがえる
俺は恐怖のあまり逃げ出した
戦いが怖くて、弟を助けることもしないで・・・
「ック・・・ソォ・・・・・・ッ・・・!!」
歯を食いしばった
何が、クソだ・・・、何に対して俺は怒ってるんだ
俺だ・・・、何者でもない、あそこから逃げ出した自分に腹がたった
何故、逃げたんだ
勝てない戦いだったから・・・?そんなの、理由になるか
どんな戦いでも逃げることだけはしてはならない、最悪の行為だ
それならまだ、ボコボコにされて、とどめをさされて負けた方がいい
・・・俺は、・・・負けたんだ・・・
拳が震えている
怒りか・・・?恐怖か・・・?
「はぁ・・・・」
拳を解いた
俺は最悪な気分に浸った
あの言葉を思い出したから
エメル・・・と名乗ったアイツから聞いた最後の言葉は、
俺にとどめをさす最も有効な手段だった・・・
何がどうなっているかなんて、関係ない
俺は・・・、戦う・・・べき・・・だった・・・
グルルルル〜・・・
腹の虫が盛大にないた
あまりに大きすぎるから、さすがに朝食をとろうと俺は冷蔵庫の中をあさりだした
「無い・・・何にもない・・・」
あるのはキノコ1つ
さすがの俺でも今じゃ間に合わない だが、無いよりはマシなはず
俺はキノコをズタボロの服のポケットにしまいこんだ
それから急いで着替え、財布を手に俺は玄関へと出向いた
このまま腹が減って死ぬよりも、マシだ
そういい聞かせ、この嵐のような豪雨の中を、俺は駆け出していった
無数の水滴がズタボロの俺に激しく襲い掛かる
服はあっというまにびしょ濡れになり、息があがった
庭のドカンまでのほんの短い距離でさえ、広い荒野を横切っているように思えた
俺は即座にドカンへと身を放り投げる
ガロンガロンガロン・・・
ザアアアアアアアアアアアアアアアアア
ドカンから出ると再び雨水が俺に襲い掛かった
まるで針のようにチクチクする
どこかいい雨宿りの場所を探そうとしたが、
行き先はすぐに決まった、キノコ城だ
なにより、ピーチ姫のことが気にかかる
確か、マルスがお守りについてるはずだから、
大丈夫だとは思うんだが・・・心配だ
キノコ城は激しい雨と、厚く真っ黒な雲のせいで
姿かたちははっきりと見えなかった
ただ、影からして、大きな建物がたっていることだけはわかる
門はキノコ城のままのようだ
ただ、門番のキノピオの姿が見当たらないのが気がかりではあった
まぁ俺なら勝手に入っても怒られることはないだろう
軽くジャンプして門を飛び越えた
「え・・・・・・・」
思わず呼吸が止まった
門を超えてすぐ目についたものが、あまりに場違いだったからだ
アーウィンだ
いくつもの戦闘機が、キノコ城の広い庭にビッシリと埋め尽くされている
普段はわりとスマブラのステージで見慣れているはずだが、
今俺の目にうつるアーウィンはそれの比じゃない
黒く、大きく、不気味な存在感を放っている
しかし、何故こんなところにアーウィンが・・・
俺のいやな予感はこの時点でまず的中した
とにかく、城内に入ってみないことにはわからない
まだ、1%ぐらいの確立で城内は何の変哲もないかもしれない
・・・・・・このとき、また俺は逃げ出したくなった
この後見る光景が、いつものキノコ城なわけがない
俺は現実に直面しようとしているんだ・・・
後ろを向きたくなった
そして何事もなかったことにして、家にこもってとっとと寝たくなった
だが、今わかっていることがひとつ
ここで後ろを向いたら俺はまた負ける
明らかにキノコ城とは違う影の形をしたこの城に入る
ただそれだけのことだ・・・俺はこれ以上負けられない
いい、俺はもう、一度負けているんだ
同じ負け方をするのはごめんだ それだけは譲れない
ダ━━━━ッ!!
俺は崖から飛び降りるつもりで走り出した
城に入って確かめてやるよ!
どんな現実だろうがかかってこいよ!!
姫がいなかろうと、城にバケモンがうじゃうじゃいようと、
もっと怖いもんが待ち受けてたっていい・・・!
もう、戦う前から負けるのはゴメンだ
近づけば近づくほどに、キノコ城(仮)の影は大きく見えてくる
もはやキノコ城である確立は0%、いや、増築したんだろうな
なら見せてくれよ、どんな立派に増築したのか・・・
どんなに広くても、俺はピーチ姫に会ってみせるから!!
ド━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ン!!!
「うわあああああああッ!!!!」
バシャアンッ!!
視界が横転して、俺は地面、いや、雨水に顔をうずめた
俺が見た光景は予想だにしていなかった、というよりスケールが違った
「光線・・・?!」
急いで立ち上がり、真上を見る
恐ろしいほどの雨が俺の顔を叩くが気にしていられない
目をこらし、俺は真っ黒な空を見上げた
確かに何かが光ったのを転げる瞬間に見た
紅い色の太い光線が、キノコ城(仮)に激突したはずだ
ビジジジジジジ・・・
「・・・なんだ・・・?」
よく見ると電撃がキノコ城(仮)の周りに走っている
雷かと思ったがそう遠くのことの話でもなさそうだ
勝手な解釈をすると、どこからか飛んできた光線を、
キノコ城(仮)の周りの透明なシールドが守った・・・ように俺は思えた
そうでなければあれほどの光線を受けていれば
今頃キノコ城(仮)は崩れ落ちてなけりゃ理に適わない
・・・となれば、光線を放った別の何かが
すぐ近くに存在するはずだ
俺はキノコ城(仮)とは反対の方向へ視線を向ける
今度は予想通りだった、大きな飛行物体の影が見える
バンッ!!
「へ・・・!?」
すぐ後ろから扉の開く音がし、俺は驚きながら振り返った
キノコ城(仮)から現れたのは、意外というか、予想通りというか・・・
「キノピオッ!?」
思わず、慣れ親しんだその名前を口にした
キノピオと思えるそいつは、俺の呼びかけにはピクリとも反応せず、
大急ぎでどこかへ走っていく
ドドドドドドドッ・・・
だが、それで終わりではなかった
城から今度は大量のキノピオ軍団が溢れるように飛び出してきた!
さっきのもそうだが、このキノピオ軍団は皆、
いつもとは服装が違っていることに気がついた
軍服、・・・そうまるで軍服を着ているように見える
声をかけようとも、誰ひとり有名人である俺に
反応しない時点でそれは無駄だと悟った
どうすることもできないから、ひとまず行き先だけでも
眺めていると、とんでもないことに、キノピオ軍団は
2〜3人のグループに別れ、皆アーウィンに乗り込み始めた!
ゴオオオオオゴオオオオオオオゴゴゴゴオオオオオオッ!!!
一気に30機ほどのアーウィンにエンジンがかかり、
けたたましい騒音が鳴り響いた
耳が壊れるかと思った俺は、即座に耳を塞ぎながら、
庭の木の陰へと身を隠すことにした
そのままキノコ城(仮)に突入してもよかったのだが、
外の様子が気になるから、俺はここからアーウィンたちを眺めた
「こんな嵐の時に、飛んでいけるのか・・・?」
ヴヴヴヴウォーーーーーーーーーン・・・
そうつぶやきながら見ていると、
一機のアーウィンが飛び立ったのを合図に、
残りの数多くのアーウィンが次々と嵐の空へ飛び交った
その光景を見て、俺はまるで別の世界に自分がいるかのような錯覚に陥った
キノコ王国じゃない・・・どこか・・・遠くの世界へ・・・
いや、だがここはキノコ王国だ
今見えてる光景はキノコ王国で起こっている光景だ
それは、一つの・・・現実・・・
俺は、ここへきてまずいきなり重たい現実をゆっくりと受け入れた
ピュンピュンピュンッ!!
ピュンピュンピュンッ!!!
アーウィンは残らず飛び立ち、
その全てがキノコタウンの方向へ飛び、
大きな飛行物体の影に向けて小さな光線を放ちだした
「お・・・おいおい、キノコタウンの住人が・・・!」
町のすぐ上でドンパチやったら住人が危険だ
俺はすぐに木の陰から走り出して、門を飛び越えた
「どこか安全なところに非難させなくちゃ・・・
そうだ、俺の家がいい、そこそこ遠いし安全だ」
キノコタウンに戻ってきた俺は、まず小さな民家のドアをノックした
トントントン!
しかし、何の反応もない、
早朝のこの時間だし、寝ているかもしれない
こうなったら仕方ない、いつもどおり不法侵入だ
俺は民家のドアを開け、大声をかました
「皆、おきてくれッ!!大変だ!!
突然で悪いけど、皆今すぐ俺の家に・・・!!」
叫んではみるものの、全く反応は無い
家の中は電気が点いていなくて暗いままだ
俺は玄関脇の電気スイッチを押してみた
・・・・・・・・・・・・
だが、一向に電気は点かない
「ファイアッ!」
手のひらを広げ、その上に小さな火をつくる
少しだけ部屋の様子がわかった・・・
「・・・・誰もいない・・・」
そこには人はおろか、家具の一切も無かった
まるまる引越した後にも思える・・・
・・・そうだ・・・
俺は気づいた
居るわけが無い・・・
俺は民家を飛び出て空を見上げる
「皆・・・空に居るんだ・・・、だから、ここにいるわけが・・・」
ブオオオオオオオオオオオオオオ・・・ドゴオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
一機のアーウィンがすぐ向こうの広場のど真ん中に墜落し、
大きな火柱をあげた、それと同時に地面を強い振動が伝わる
「・・・・・・・・・・・・・」
その光景こそが、俺が受け止めざるを得ない第二の現実だった
町の皆が、戦争している・・・
そして、死んでいる・・・!!
俺がいままで守ってきたものが・・・・・・・
この今はすでに、消えてなくなったというのか・・・!!?
平和が、皆の平和・・・俺の平和・・・
そんなものは、もうこの町から消え去っている・・・
まさか・・・、俺が逃げたからか・・・?
俺があの時、逃げたから今こうなってるのかよ!?
「クソッ・・・・うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
俺は馬鹿みたいに絶叫した、壊れた
ついこの前まで見えていた平和な色は、既に黒ずんでいる
俺が守りたかったものは、もう形を成していない
ここはどこだ、俺は何だ・・・!!
嵐の中を思い切り駆け抜け、俺は叫んだ
もうどうすればいいのかわからない
勝ち負け以前の問題だ、すでに全てが終わっているじゃないかッ!!
雨で濡れているのか、俺の顔はビショビショだった
こんな悪夢があるなら俺は夢魔を恨む
こんな現実があるなら・・・俺は・・・
俺は、あの時逃げた自分を恨む・・・!
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
ドゴオオオオオオオオオオ・・・
・・・遠くで、また一つアーウィンが墜落した
俺は今、・・・自分の家の前で、崩壊したキノコタウンを独り眺めていた
俺はどうすればいいのか、全然わからなくなっていた
むしろ・・・今まではどうやってきたのか、すらも
俺は、・・・何だ
ここにどうして俺は存在している・・・
アーウィンはもはや、空に数えられるほどしかない
巨大な飛行物体の方も幾度か、攻撃を受けているみたいだ
キノコ王国を攻撃する、謎の存在
一体、何者なんだ・・・?
「どうよ、眺めは」
「!」
声がした
それは、俺が最後に聞いた声とそっくりだった
振り返るのに躊躇した、そのまま俺は、
まるで聞こえていないかのように反応しないで、その場に突っ立った
「少しは、自分の本当の力量がわかったみたいだな」
・・・?・・・何を言っている・・・
だが、聞きたくなかった、コイツはあの時みたいに
本当の俺にグサリと突き刺さることを言うかもしれないからだ
「テメェは無力だ、一人では、とてつもないほどの、無力」
・・・・そうかもしれないな、だが・・・何のつもりだよ
何故そんなこと言いにここに来ている
おそらく、最後の扉を使って俺の家の扉から姿を現したんだろうが
「スマッシュブラザーズは宇宙最強だったかもしれねーが・・・、
それをひとつひとつ分断すりゃあ、驚くほどに小さいピースだったぜ?」
・・・小さい、ピースか
「オレのしもべになる気はねぇか?」
「!!」
さすがにこの時は振り返りそうになった
だが、こいつを今直視したくない・・・俺は・・・
「オレは仲間なんざ必要ねぇと思っている
ピースじゃなくて、ワン・・・1つだ、
1人で完璧な存在になるべきだとな」
ワン・・・?何を言っているんだ・・・
だが・・・、正しいこと言ってるかすらの判断も
今の俺には出来ない
「並列に並ぶ必要なんかねぇーんだよ、縦に、
ピラミッド型に形をつくれば、高みを目指せる」
!・・・高みを・・・目指せる?
「テメェは、頂点を目指すだけの価値がある
今までピースを頼ってきたから今のテメェは弱い
だが、オレはテメェが欲しい、テメェなら強くなれる
オレのしもべとなって、世界を牛耳ろうじゃねぇか」
・・・俺は、もう負けない・・・、戦うべきだ
「そいつはお断りだッ!!エメルッ!!」
意を決し、俺は震えていた拳を思い切り放った
ブグッ!!・・・
雨水と共に、俺は奴の顔を確かに殴った
「・・・・・・・・・・・・・・」
奴は・・・エメルはその一発をわざと喰らった
奴なら避けられたはずだ・・・、俺の一撃なんか
「テメェは、オレに遥かに及んじゃいねぇーよ
テメェがピースでいる間は、一生オレには適わねぇ」
ドゴッ
お返しのキックが容赦なく俺の懐にヒットした
さすがは自分をキングと豪語する奴だけに、威力は十二分にあった
俺は情けなく地面に転がる
「テメェを生かしておく、ピースであることがどんだけ
無様で弱かったことか、存分に解らせてやるよ」
ヨッシーの癖に強さも口の達者さも半端なかった
こいつの言っている、ピースだとか、ワンが何のことかは解らない
だが、俺には、俺の信念があるはず・・・それをぶつけるだけ
それしか、俺に出来ることはない・・・!
ブンッ!!ドゴォッ!!
振るった拳は再びエメルにヒットした
これも、おそらくわざと喰らったのか・・・?
エメルは少しフラっとしていた
さすがに俺の本気の一撃をもろにくらって、
立ちくらみの一つもしてくれなければ・・・
だが、今度のエメルのキックは立ちくらみなんてものじゃなかった
「ウゴォッ・・・」
視界が黄色くなり、一瞬で全身の力がどこかにすっ飛ぶ
俺は地面に再び伏した
次に立ち上がるまでに俺は数分とかかった
その間にエメルは俺を置いて、最後にこういい残した
「テメェがもし、それでもピースの方が強いっつーんなら、
いつでもホワイトピースに戻って来いよ
その時にでもオレがテメェに全てを教えてやる」
そういって、奴は鍵を俺の家の鍵穴に通して、
ホワイトピースに帰った・・・
それを、俺は地の表面から見ていた
それから、何分たった頃だろうか・・・
雨の勢いがだいぶやわくなった頃だ
空から降ってくるものに俺は雨や雷、アーウィンのほかに、
もうひとつ知った
それは、傷だらけの天使だ
俺の目の前の木の枝に、天使がぶら下がっている
どうやら、お迎えが来たらしい
その天使にすがるように、自然と俺は地面をはっていた
白く、きれいなその腕にようやく手が届いたときだ
俺の新しい戦いが始まったんだ
次回 『スマッシュボール』
>>トップ >>はじめに
>>スマブラX >>スマブラ小説
>>星ブ口グ >>ギャラリー
>>掲示板 >>戦場 >>管理人宛bbs
>>リンク集
MIDI : 13式